2013年1月19日土曜日

LDA6N-H (Panasonic LED電球 EVERLEDS 40W形相当昼白色)

中村邦夫氏が『妄想と破壊』をスローガンに大暴れした結果
瀕死のパナソニックですがLED電球はまだ売れてるようです。




密閉器具には対応しているようですが明示していません。
(禁止内容に入ってない)
ちょっと記載の仕方が姑息です・・・

■仕様■
光束:485ルーメン
色味:昼白色
寿命:40,000時間
電力:6.0W










注:購入した個体の結果であり販売されている製品が全て同じとは限りません。
  また、内容はあくまで1消費者としての個人的見解です。
  分解は危険を伴いますのでマネをしないでください(万一分解したら絶対に使用しないで!)。
  万一事故・損害が発生しても一切の責任は負いかねます。

さて、早速破壊分解開始です。


ガラスカバーだ・・・と・・・!?





LEDがかなり小型で・・・す?・・・んん??


見え難いのでパターンにマジックで色を付けてみました。


なんだこれ??

LEDを2個ずつ並列にしてそれを6列直列にしています。
ちなみに内部は素子2個が直列に入っているので24素子かな。


ネジを外し、基板のコネクタから線を抜いたらLED実装板が
取れました。
裏面にグリスはありませんがケース側の平面度は高そう。
見た目の光沢や断面からするとアルミダイカストでしょうか。



周囲に白い接着剤らしきものがあったのでもしやと思い力技
でぐりぐりやったら・・・取れた!?


LED実装板が固定されていた部分は3.52mm、このアルミ
円板だけがダイカストのようです。



白いプラスチックの蓋を取ったら基板・・・が・・・へ??


スカスカで丸っぽい基板、下向きに配置・・・電球型蛍光灯?


基板が抜けないのでソケットをグリグリ。


口金に繋がった線をカットしたら基板が抜けま・・・し・・・し・・





ケースの内部、このケースは薄いアルミ製です。


見なかった事にして現実逃避しちゃダメって?
・・・そうですね・・・引き抜いた基板の話に戻りましょうか。


基板の表面、角度を変えて3連写です。



なんというか・・・100円ショップの電球型蛍光灯の基板と取
り違えたのかと思ってしまうような外観です。
少なくとも私の浅薄な知識ではこういう設計にする物理的メ
リットは思い付きません。

電解コンデンサは
 ・萬裕科技集團有限公司
 ・立隆電子工業股份有限公司
の製品、ヒューズ等の安全対策は見受けられませんでした。

<2013/04/18追記>
塗装絶縁形ヒューズ抵抗に見える部品がありますが基板の
表記R6となっていますしLED出力側なので普通の抵抗と
しています。

<2014/01/17追記>
回路中にPTCサーミスタがあるのを見落としてました(基板裏)。
温度によって勝手に明るさを変えている可能性がありますね。
安全対策と言えなくもないけど・・・ちょっと違うかな。


基板裏面(黄色はLEDへの出力、赤はソケットからのAC入力)。



光の反射具合からすると半田付けのレベルはあまり高くない
ように見受けられます。


不良品ではない・・・けどこの設計は・・・しょぼい?
これまで分解してきた他社LED電球と比較してもパナソニック
の設計思想だけが全く違うように見えるのですが、ちょっと妄
想してみましょう。


注:ここからはあくまで仮説です。

LED電球のコストをものすごく大雑把に考えるとこの2つです。
 ①部品代
 ②組立にかかる費用(人件費や工場設備等)

①を減らそうとすると中国メーカーでも生産できるような型落
ちした部品を選ぶ事になります。
しかし、そういう部品は自動実装できないので人が手で実装
する事になり②の人件費が増加します。
逆に②を減らそうとすると、全て自動実装できる部品を使った
りするのですが①の部品代は増加します。

ところで、自社工場・従業員は何も生産していなくても費用が
かかります。
つまり自社の場合は②が固定される事になります(残業をさせ
なければですが)。
実装にどれだけ手間がかかっても②は増えないのでとにかく
安い部品を使えばコストダウンできます。
そう考えると自社工場に電球型蛍光灯生産ラインを保有して
いるパナソニックの製品がこうなる理由も納得できる気が・・・

でも自社生産しているメーカーは他にもあるけどなんでパナソ
ニックだけがこうなってるんだろう?


分解前の消費電力測定結果は こちら です。

電球関連の総合リンクは こちら です。


4 件のコメント:

  1. 検索していたらヒットしていくつか記事を拝見しました。
    中々分解して設計はどうなっているか知るべるまではできませんし
    こちらの記事の数々はとても興味深く拝見いたしました。

    ちょうどLED電球を購入したところです。
    E17口金の広配光タイプを探していたのですが
    あんまり選択肢がなくてまだ値段も高めでした。
    分類だとペンダント照明器具なるのでしょうか
    E17口金の25W形白熱灯3つを上向きに設置するタイプで
    4つの菱形樹脂カバーが木製の枠に嵌っている感じです。
    8畳には暗かったので足元が不安なので今よりは明るくしたく
    家人と相談したところ電球色ならばいいと妥協を引き出しました。
    LED電球を上向きに設置するので指向性が強く
    下方向に光が強くなる狭い配広角のものでは天井からの
    反射光がメインになってしまうので広配光のものを検討しました。
    ・東芝E-CORE LDA5L-G-E17/S
    ・三菱電機PARATHOM LDA6L-G-E17
    ・パナソニックEVERLEDS LDA5LGE17W
    ・NEC LIFELED'S LDA6L-G-E17/S
    を選択肢にして値段が1000円ほど高い東芝と三菱電機を外して
    パナソニックとNECに絞りました。パナの方が少し安かったのですが
    NECの方が明るかったので今回はLIFELED'S LDA6L-G-E17/Sを選びました。

    電球の設計が出来ないと倒産なんですかね、やっぱり。
    切り売りニュースは何か飛ばし記事だったんですかね。
    この前のパナ社長の会見なんかでは趣旨があまりにも違いますし。
    電球型蛍光灯のところでプラズマなんかに~と書かれておられましたが
    OLED量産が始まるまでは自発光のプラズマはやってほしいところです。
    広視野角自発光にこだわりがあるようなので
    姫路のIPS液晶とその仲間たちだけに絞っていくとは思えませんが。
    自分としてはナショナルは捨ててパナソニックになるのに抵抗はありませんが
    テクニクスの名を捨ててしまったことは残念でした。

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    1. コメントありがとうございます。
      プラズマは液晶と比較して技術的に優れた点があります。
      ただ、本来ならプラズマ陣営を盛り上げ新規参入を促し部材の進化と
      コストダウンに繋げるべきを、パナソニックは他社を駆逐し利益独占
      を優先しました。
      結果として、新規参入はなく撤退企業が相次ぎコストダウンも進まず
      市場規模が縮小、液晶に敗北してしまいました。
      そして明らかに雌雄が決した状況下での尼崎への巨額投資・・・そう
      いう意味でプラズマなんかにと表現させていただきました。

      テクニクス!?
      懐かしいですねぇ・・・今のパナソニックならどこかがブランド買い
      取って再開とかありそうな気もしますが。

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  2. 電解コンのみを大きく浮かす事で、
    LEDより距離をとる事ができるので、熱対策に見えます。
    他社の設計よりも実装コストをかけて対策しているので、
    良い製品に見えますが、どうなんでしょうか?

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    1. コメントありがとうございます。

      電解コンデンサの位置ですが、理屈から考えると熱源から離す構造が
      熱対策として有効に作用している可能性はあると思います。
      ただ、管理人の能力と保有機材ではそれを確認する事はできませんし
      そもそも熱対策としての構造なのかもわかりません。
      パナソニックは電球型蛍光灯も同じ構造なのでもともとそういう思想で
      ある可能性もあります。

      この構造が「他社より実装コストがかかっている」点については管理人
      は見解が異なります。
      100円ショップの製品などにも同じ構造が見られるように、実装コスト
      は安いです(こういう挿入部品は結局手実装ですから)。

      あくまで管理人の主観ですが、この構造は形状の制限によるものだと
      判断しています。
      基本的に白熱電球の代替なので、前方向に出っ張ってもいいけど後ろ
      方向は白熱電球の形状に納めないと器具に装着できません。
      電解コンデンサを基板上に実装すると膨らんでしまうので、浮かせてソ
      ケット部分に押し込んだと考えると納得できます。
      案外、大手メーカーは変化を嫌うので「昔からそうだからとりあえずそう
      しとけ」ってだけだったりして・・・


      とまぁ偉そうな事を書いてますが、当ブログでやってる事は所詮解析の
      真似事ですから厳密さも正確性も怪しいです。
      とりあえず内部が見えるという点では多少お役に立てると思いますの
      で、あとは自己判断していただければと思います。

      なお、同じコメントが2つありましたがクリックミスだと思うので片方は削
      除させていただきます。

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※1.コメントは管理人の承認後表示されます。
※2.何故かコメントに返信できません、ごめんなさい m(_ _;)m